シーズンアイテムが店先に並ぶタイミング

日本は四季がある国だということの認識
コーディネートを考えるときに重要なのが季節感です。でもこれは、どこにいるかということが問題になってきます。地球上で異なった気候や環境で人類が暮らしていることを私たちは理解しています。
日本でのファッションコーデを考える場合には、春夏秋冬という季節が存在するということを認識する必要があります。日本には世界中のブランドからアイテムがはいってきていますが、それぞれの国では日本とは異なった気候がありその環境に適したアイテムが設計されていることを理解することが必要になります。
春夏秋冬で着るものが変わってくる
日本では、シーズンごとに着るものが変わってきます。
春には薄手のアウターとトップス&パンツというコーデが標準的でしょう。風が強いのでウィンドブレーカーが必要なシーンもあります。夏の前には梅雨のシーズンが訪れます。雨が降るので薄手のコートや防寒用のスウェットなどが必要です。雨用のブーツを持っていると非常に有効です。
梅雨が明けると、一気に夏のシーズンが到来します。ここ数年は異常気象で気温上昇は非常に急激で日中に外出するのが危険な日もあるほどです。夏の紫外線対策はコーディネートでも重要なポイントになります。小物では、帽子とサングラスは必ず必要なアイテムになります。
夏から秋へのシーズン交代は緩やかではなく急激に始まります。感覚的には徐々に寒くなってくるという印象はなく、秋というシーズンが年々短くなっています。ほぼなくなっているといっても過言ではないでしょう。
残暑が長く続き、一瞬の秋を過ぎると季節は一気に冬になります。夏のコーディネートから冬物に変換するタイミングが、数年前の感覚では到底間に合わないスピード感で気温が一気に下がっていきます。
異常気象で変わる着こなしアイテムの常識
日本の四季は古の情緒のある移り変わりの時間経過からすでにかけ離れた印象で動いています。シーズンで考えると、最も準備が間に合わないのが夏から冬までのシーズンです。この速さは、ショップにアウターが並び始めるスピードを上回るスピード感です。
シーズンアイテムが店先に並ぶタイミング
フアっション業界は、季節の先取りをすればするほど良いという感覚から、実際の季節のスピード感にあわせる感覚に変わってきています。シーズンアイテムも一気に入れ替えてしまうのではなく、今必要なアイテムとこれから必要になってくるアイテムののりしろが以前より広くなってきました。
シーズンアイテムから自由になったアイテムたち
ショップのシーズン感の変化の他に、シーズンを超えてコーデに使われるようになったアイテムも増えてきました。
シューズではブーツがいい例でしょう。もともとは日本では秋冬にしか見られなかったブーツが年間を通して履かれています。
ニットアイテムも一年中着られているアイテムです。気温の変化が四季の常識から離れた動きをする日が増えてきたことと、室内の冷房対策のためにニットアイテムは年間を通して必要なアイテムになりました。
違和感から自由になるコーディネート
ショートパンツにブーツを履いてニット帽をかぶっているコーディネートを見ても、今は違和感を感じることがなくなりました。真夏でも冷房が効いた室内ではニットを着ても違和感を感じません。ベーシックな季節に合ったコーディネートの感覚は崩れ去って、過去の常識からくる違和感から解放された新たなコーディネートがシーズンごとに誕生しています。